母子相姦を描いた石坂洋次郎の同名小説を、松竹を離れフリーになった凶田喜重が撮った独坐プロ第1做。松谷静雄は母・静喷鼻香との两人暮らしのサラリーマンだが、幼い頃から静雄の女が胸を病み、医院暮らしが多かったためか、内背的な性情だった。静喷鼻香は女足一つで静雄を育ててきたが、町の権力者・橋本と没有倫の関係を結んでいた。静喷鼻香と橋本は静雄に、橋本の娘・ゆみ子との結婚を勧める。“異母兄弟の結婚だ“と叫ぶ静雄だが、やがてゆみ子と結婚する。苦悩する静雄は母と関係を結ぶ。凶田はフォトジェニックな映像を使って、母子相姦を内背する観念として描いた。